家全体がゴミ屋敷というわけではなく、「寝室だけが物で溢れている」「キッチンだけが手がつけられない」といった、特定の場所だけが問題となっているケースも少なくありません。このような場合、片付けにかかる時間はどのくらいを見積もればよいのでしょうか。場所ごとの特徴と、片付け時間の目安について考えてみましょう。まず「寝室や個室」の場合。この場所のゴミは、主に衣類や雑誌、個人的な趣味の物などが中心となります。腐敗する生ゴミが少ないため、衛生的なリスクは比較的低いですが、衣類や書類など「必要か不要か」の判断に時間がかかる物が多いのが特徴です。プロに依頼すれば、一部屋であれば二時間から五時間程度で完了することが多いでしょう。自力で行う場合は、この判断作業にどれだけ時間をかけるかによりますが、数日間に分けて少しずつ進めるのが現実的です。次に「キッチンや水回り」です。ここは、腐敗した食品や油汚れ、カビなど、衛生的でないゴミが集中する場所です。そのため、精神的な負担が大きく、作業にはマスクや手袋が必須となります。食器や調理器具の洗浄、頑固な汚れの清掃も必要になるため、部屋の面積は小さくても、非常に時間がかかります。プロでも、汚れの度合いによっては半日以上かかることがあります。自力の場合は、最も覚悟が必要な場所と言えるでしょう。最後に「リビング」です。ここは家族の共有スペースであるため、様々な種類のゴミが混在しています。家具などの大きな物も多く、それらを動かしながら作業する必要があるため、手間がかかります。しかし、個人の思い出の品が少ない分、分別の判断は比較的スムーズに進むかもしれません。いずれの場所にせよ、自力で取り組む場合は「今日はこの棚だけ」「今週末はこの一角だけ」というように、さらに小さなエリアに区切って目標を立てることが、挫折せずに続けるためのコツです。